大会長挨拶

 この度、第34回日本サイコネフロロジー学会学術集会・総会を2023年7月22日(土)、23日(日)に岐阜県大垣市の大垣フォーラムホテルにて開催させていただきます。
 過去3年間は、COVID-19感染の影響によりWEB開催でありましたが、今大会は感染対策を行いながら対面での開催を予定しております。
 看護師が大会長を務めるのは、本学会では研究会時代も含めて初めてであり、大変恐縮ではございますが、新しい角度・現場目線・生活目線から、腎臓病患者のこころの問題の大切さを掘り下げられる大会にしたいと思っております。
 今大会のテーマは、「こころを繋ぐ」としました。医療や看護の基本は、人と人との繋がり(関係性)にあり、繋がり自体がお互いを癒す力を持っています。こころが繋がり、共鳴するにはコミュニケーションが重要となり、そこに笑顔が添えられることで人間関係を円滑に運ぶ手助けにもなると考えます。
 透析医療には専門性の高い様々な職種が患者に関わりますが、どの職種であっても「こころのキュア・ケア」は必須です。さらに今後は超高齢化社会における地域包括ケアシステムが進められていくなかで、地域で過ごす患者・家族に対する支援には、地域との繋がりをはじめ多職種連携が不可欠になると考えられます。
 本大会では、立場や環境の異なる参加者が、多職種によるプレゼンテーションを通じて、しなやかな多様性を共に考え、学術面や技術面、そして何より心理面において専門性の向上に繋がるようなプログラムを目指しました。
 まず、「こころを繋ぐ」というテーマの看護師主体のシンポジウムを企画しました。また、特別講演は、笑い学会の副会長である昇幹夫先生と、“地域との繋がり”の視点も踏まえて、岐阜県西濃地域において緩和ケア領域でご活躍の沼口諭先生(大垣市医師会長)にお願いしております。さらに教育講演として、こころと遺伝子の関係性について研究されている堀美代先生(公益財団法人国際科学振興財団バイオ研究所)のご講演を予定しております。その他、多職種による白熱した議論が期待される「困難症例、あなたならどう対応しますか?」の臨床討論セッションを企画しました。ここでは、まさに臨床現場の第一線で活躍する若手の看護師・臨床工学技士・理学療法士・管理栄養士の先生方にご登壇いただく予定です。
 ひとりでも多くの人が「こころのキュア・ケア」について学び、学会を通して視野を広げ、サイコネフロロジーの視点でより良い治療やケアに繋がるよう、様々な企画を用意し皆様のお越しをお待ちしております。
 慢性腎臓病、腎不全、腎臓移植をはじめ、あらゆる領域で、笑いあり、学びあり、すべての人とこころが繋がり、皆が幸せになることに思いをはせながら、松尾芭蕉「奥の細道」結びの地である「水の都」大垣で、歴史や文化を体感しながら熱い議論を交わせることを楽しみにしております。

 

第34回日本サイコネフロロジー学会学術集会・総会
大会長 種田 美和
医療法人社団大誠会

 

 


協賛

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