大会長挨拶
この度、第18回学術大会 日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会の大会長を拝命しました藤田医科大学病院薬剤部山田成樹です。
ジェネリック医薬品の現状として、現在約1万1千品目が上市されており伸長しています。また、取引数量及び薬剤費は拡大傾向にあり、2019年では1.6兆円の規模になっています。しかし、ジェネリック医薬品を供給する製薬会社は微減しています。ジェネリック医薬品を扱う全企業のうち、約6割の企業が主にジェネリック医薬品を扱う企業であり、当該企業の品目がジェネリック医薬品全品目の7割5分を占めている現状です。そのため、コロナ感染症に伴う医薬品の需要増大、ウクライナ情勢に対する流通不安、各製薬会社における品質管理不備などの影響で、ジェネリック医薬品の不安定的な供給が継続しており、治療に関して大きな問題となっております。
また、バイオシミラー医薬品に関しては、厚生労働省「医薬品価格調査」において数量ベースで80%以上置き換わった成分数は18.8%であり、市場規模は約755億円であります。バイオシミラー医薬品に対しては、互換性と代替性の問題、医療従事者や患者に対する認知度の問題などが影響していると思われます。
これらの課題と問題点を今大会では議論し、今後のジェネリック医薬品とバイオシミラー医薬品の安定と安心を含めた普及を目指し、今大会テーマを「安定と安心の追求」といたしました。製薬メーカーや規制当局を含めて幅広く議論したいと考えて おります。
前回大会の沖縄大会は非常に盛大な中閉会されました。名古屋大会も多くの皆さまの参加を心からお待ち申し上げますとともに、「名古屋めし」などを堪能していただきながら、将来のジェネリック医薬品、バイオシミラー医薬品の発展を目指していきましょう。
第18回学術大会 日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会
大会長 山田 成樹
藤田医科大学医学部 薬物治療情報学講座 教授
藤田医科大学病院 薬剤部 部長